本来、業務フローチャートには定まった様式はないのですが、フロー図を見るだけで判断するポイント、処理方法、扱う情報の形式、動かす物品等が識別できるように普及した多種多様な記号ルールがあります。例えば、エクセルやパワーポイントの「図形-フローチャート」で用意されているシステムフロー用の記号が代表例と言えます。

システムフローのように一定のルールに従って作図しなければ、多くのプログラマーに正しく伝えられない場合であれば、このルール化も理解できるところです。しかし、それ以外にも”仕組み”を明確にするため、コンサルティング会社やソフトで独自に定義される記号もあるためか、自由に書いてよいはずの業務フローチャートに対しても専門性があると感じてしまっている人が多いようです。

結論を言えば、社内で使う業務フローチャートは、なるべく記号を少なくして簡単に書いた方がわかりやすく、運用もしやすくなります。仮に、複雑な記号ルールを定義して業務フローチャートを作図する場合、作成者はその定義を覚えて使いこなさなければなりません。さらに他の従業員も記号ルールを覚えなければ、作図された業務フローチャートをさっと読むことができません。つまり、業務フローチャートが専門性を帯びてしまうと、誰もが書けて、誰もがわかる資料にならないのです。これでは業務フローチャートの効果を発揮できないのです。

著作権の関係もあるため、業務フローチャートを書く手順の詳しい解説は「夢をかなえる! 使える事業計画書のつくり方」をお読みください。同書は事業計画書をテーマにした書籍ですが、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を的確に把握する目的と起業後のマニュアル活用を想定して業務フローチャートのつくり方を解説しております。

ここでは簡単な業務フローチャートのサンプルを掲載しておきます。下記サンプルのように最低限四種類の記号で作図すれば、誰でも直感的にわかる業務フローチャートに仕上がることをご理解頂けると思います。

簡単な業務フローチャートのサンプル